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No 17. January 4 〜19、2012
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大地の広がりの中で、小さく見える子どもたちと、身体から宙に歌声を響かせる子どもたち
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日本からのゲスト
退職する校長先生

心からの歓迎

 
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 3回目のサクラ・モヒラ・スタディツアーは11名の参加者がありました。スタッフと合せて13名、ツアーがその名に名折れしない人数でした。毎年、冬の頃、つまりバングラデシュの気温が低く動きやすい時にツアーを計画してきたのですが、少しずつサクラモヒラの活動が受け入れられ始めているというのは、喜ばしいことです。一般からもご参加があるので、サクラモヒラのプロジェクトの場所に加えて、バングラデシュの観光の場所もいれることにしています。今回は、シレットというお茶の場所を、ダッカの市内観光に加えました。シレットという場所は「茶」で有名な場所であり、バングラデシュでは茶畑の続く唯一の丘陵地帯です。英国人はここから本国に茶を運びました。スラムのない豊かな市で、人々は豊かゆえ、保守的なのだそうです。ちなみに、英国にあるインドカレーは、この場所のカレーで、シレットの人たちが伝えたものです。インドとの国境が広がる場所で、ジャフロングという国境の場所に行き、目の前に「Welcome to India」のサインを見てきました。見張り官が、平和そうに国境の警備にあたっていましたが、実は国境周辺では小さないざこざが新聞の紙面を結構埋めています。国境を形成する山や川、土手などが、それなりにドラマチックに背景に溶け込んでいて、植民地の頃の歴史などを物語っています。ホテルも同じ値段ならダッカよりは、はるかに世界基準に達しています。もう少し時間にゆとりがあれば、茶のサロンや売買にあたっての取引協会など、植民地の歴史の名残りを興味深く見ることができたことでしょう。いつか、ゆっくりと再訪したい場所です。

 ダッカは相変わらずのエネルギーと、交通渋滞と埃の発展都市です。ダッカの旧市街マリバッグという場所にオフィスを借りました。ビジネスセンターにある便のよい場所で、多くの人たちがふらりとよく訪れてきました。寝室が4つあって、利用範囲が広そうです。これから具体的な活動を始めます。家具は、バングラデシュの伝統的な木の家具をオールドダッカで、注文しました。初めてオールドダッカで買い物をしましたが、自分の意に沿った物を懐と相談しながら揃えて行くのは楽しい作業でした。ダッカの人たちは経済発展を謳歌し、夢を求めてモダンなタッチの家具を買う時なので、伝統的な木の製品はお値ごろ感がありました。
 オフィスの場所でいざ、自分で生活してみると、これまでの10年以上の間に見えてこなかった角度の見え方があって、それも開眼でした。食べ物のこと、生活用品のこと、寝具のこと、交通のこと、人との交わりのことなど、新しい1歩を踏み出したかのようでした。事実、サクラモヒラにも新しい動きがあって、望んでも望まなくても、社会の変化に歩調を合わせながら、自分で舵を取る時がきたようです。サクラモヒラの奨学生モニールが、大学を卒業し、大学院に進みました。彼の望みはエリート公務員です。もう一人の奨学生アムジャドは今年の9月に卒業します。彼は今回、サクラモヒラの生産部門の手伝いをし、サクラモヒラの仕事をすることを夢見ています。すべては、これからドアを開けるという段階だけれど、開けるドアはもう決まっていて、今から鍵をあけるところです。
 オフィスから交差点を渡っていくと、モウチャックと呼ばれるマーケットがあります。その2階には、ブロックプリントをしてくれる広いフロアがあります。プリント用の版木が、山のように積まれていて、作家の方たちには魅力的な場所となりそうです。次回は、ブロックプリント作成作業のツアーを計画してほしい、という声もあり、なるほど、と納得した次第です。その近くのスーパーマーケットで、ばら水を見つけました。お料理用のコーナーで見つけたのですが、香りが高く、部屋に撒霧したり、ばら湯にしてばらの花を浮かべて飲んだりして、楽しんでいます。ダッカに行くたびに、買ってしまいそうなほどのお気に入りです。ダイナスティーの頃の優雅な物が知らないところにちゃんとあって、それを探し当てるのも楽しみの一つになりそうです。
 交通渋滞が、厳しさを増し続け、我が工房の縫い子さんたちは、通勤に四苦八苦。子育て、家事に忙殺されながら、日本の技術を身につけんと奮闘しているたくましい女性たちです。私も柔なことをほざいてないで、しっかり足元をかためなければね!
(写真はバングラデシュとインドの国境を示す杭です。トラックはインドを走っています)

 
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ナラヤンプール小学校
 

 「タイヘンダ! ニホンジン ガ 10ニン モ クルゾ!」こんなニュースブレイクで始まったのかもしれない。ナラヤンプール村の世話係アンワー・ホッサンがこの知らせをオープンした時、彼の奥さんは50%のパニックだった。ランチはどうしよう!ダッカにいる、サクラモヒラのスターター・ハクの家に電話をした。メイルで知らせたアンワーの弟は、彼の娘の結婚式でダッカから帰れない。頼りになるのは、年老いても、ハクさんだけだ。ハク夫人は、その意味をこう解釈した。「お昼代なら私がだしてあげます」彼女は何度も私に国際電話をくれた。毎回同じ内容だったけれど・・・。毎回、話した内容は次の通りだ。日本人が大勢来るので、政府の人も来ると言っている。何日に来るのか。(この2点を、国際電話で5回以上話した)1カ月の間にどのような経緯があったのか知るすべもないが、結果は、政府の人はお断りし、昼食代はサクラモヒラの旅行会社が支払いをした。そして、なぜか、アンワーは料理人をダッカから呼び寄せて、対処したのだ。だが、あの無駄な国際電話のやりとりはいったい何だったのだろうか。アンワーの奥さんはお料理がとても上手だ。こちらとしては、いつもの倍の量をつくればいいのだ、という発想しかできなかった。それに、アンワーの屋敷には、大きな料理場があって、人手だってなんとかなるはずだ。問題はなに?ダッカからの指令がトンチンカンだった?
 後日、弟の娘さんの結婚式に列席したアンワーの家族とダッカで会ったけれど、事が終わりほっと胸をなでおろした表情をしていた。日本の人たちは、村に憧れをいだき、村に泊まりたいとか、村で生活したいとか言うけれど、村の人にとっては困惑のもとだ。日帰りで来てほしい。現代的で知的な武器はふりまわさないでほしい。村には村の生活と秩序があるのだ。援助はほしいが、援助を餌に教訓を垂れるのはやめてくれ。ここで現実に向かい合うのは自分たちだ。近頃、私の中で、そのような声が聞こえてくるような気がするようになった。村の人たちとは、肩の力を抜いて、溶け込みながら手を貸すのは条件だ(なかなかできそうにもないけれど…)過去のやり方は正しかったのだろうか。私は強者として15年、ごり押しをしてきたのではないだろうか。このように反省ができるゆとりが心に生じ、村の人たちの心に神経が通い始めた結果かもしれない。わからないことばかり。だが、村人はいつも快く迎え入れてくれる。学校もよい場所としてステイタスを築いている。15年間をそのように付き合った校長先生が、5月に退職するからお前とはもう会えない、と挨拶にきた。校長先生も白髪が増えた。彼も、ヒラマはしわが増えた、と思っていることだろう。感情がこみあげて、校長先生に抱きつきたくなったけれど、イスラムの村でそんなことをしたら、彼はドギモを抜けれ、すぐさま退職してしまうかもしれないから、握手とスマイルだけに留めておいた。沈黙のその一瞬に、なんと多くの感情を交わしたことだろう。間違っていても、いなくても、彼とは15年間の付き合いだ。お別れがこのような形で来るとは想像もしていなかった。
 だがこの長い間に、村で何が変わったのだろう。音楽の先生は相変わらず同じ歌を教えている。アートの先生は相変わらず、自分の野心をむき出しにし、子どもたちの教育を怠けている(ように見える)。
 モニールが終わったので、新しい奨学生を選ぶことになった。今度、村に行ったらアンワーが準備していることだろう。音楽の先生が給料の値上げを要求して、彼の給料は2倍になった。つでに、彼は音楽の教育のために、ドラマーを雇ってほしい、と要求してきた。これは保留。子どもたちは、それなりに何かが変化している。初めての年に、キャンディを10個づつ配った頃の子どもたちとどこかが違うように思うのだ。

 
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ナラヤンプール村の仕事場とダッカでの養成

村のリーダーさんと、ダッカの仕事場でのトレイニング
 

 No 16で国際ソロプチミストの女性自立支援のプログラムが始まることはお知らせしたけれど、今回、2人の代表が新しくダッカにオープンしたサクラモヒラの場所で、トレイニングを受けることになった。彼女たちは村に帰り、村の仕事場でリーダーを務めることになるのだけれど、果たしてうまくいくだろうか。
 ダッカのオフィスにミシンを、とりあえずは2台買い入れ、裁断用のテーブルも準備した。こちらの準備が間に合わず、3日間のトレイニングとなった。サクラモヒラ側、村の女性(ジャハナトさん、カジョルさん)双方にとって、充実した3日間であったのは言うまでもない。ひとつには、村の女性たちのおしゃべりに煩わされずに落ち着いて仕事ができる、時間のゆとりがあるので、こちらの意図を伝えやすい、ダッカの生活の中で得る物がある、村の女性たちと初めて生活を共にし、ゆっくりとした時間の中でコミュニケイションがとれた、などがその理由である。今度から、村に行っても学校だけに行けばよいから、いろいろな意味でゆとりの村行きとなる。彼女たちの新しいプログラムでの最初の仕事は、660枚のコースター作りである。カディ綿を使い、刺子を施すのであるが、日本側のデザイン力を問われることになるだろう。
 村の婦人たちのトレイニングは、返済義務を負う。その分彼女たちは、村の若い女性たちに教えるという責任があり、給料が支払われる。仕事に関しては、こちらからの支払いの10%は必ずストックし、ミシンの故障に備えたり、ゆくゆくは仕事場の家賃も自分たちで独立して支払えるようにしてほしい。そのような考え方もゆっくり話すことができて、今回のトレイニングは満足できるものであった。まだ台所用品などが揃わずに、料理ができないのであるが、幸い近くに「モジャ・レストラン」があり、そこでちょうどよい食事ができるので、彼女たちは3食をそのレストランで賄った。日本に長年住んだことのあるレストランのオーナーは、とてもよい人で近隣に住む日本人もよく集まっているようである。「モジャ」とはベンガル語でおいしいという意味で、二人ともそのレストランで少し節約して、ダッカで小さな買い物をしたようだった。2月28日が締め切り日で、その後は、サクラモヒラの奨学生アムジャドが、製品を村からダッカに運び、EMSで送ってくれることになっている。アムジャドは、奨学金をもらっているから、と言って、お金を受け取ろうとせずに、村の女性たちの面倒をよくみてくれた。朝と夕に顔を見せて、通訳をしたり、日本人と過ごしたりすることが楽しいようであった。
 1月のダッカは結構寒く、日本人の私たちはお湯のシャワーを使ったけれど、村の女性たちは水で身体を洗っていたようだ。ダッカには、毎日着替えるサリーを持ってきていて、彼女たちは彼女たちなりに、トレイニングの期間を楽しんだようである。

 
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ダッカの仕事場と製品
 

 ダッカの仕事場で作られるものは、サクラモヒラが販売する製品である。洋服の仕事場は、主たる縫い子はヌルジャハンとナルギスであり、彼女たちは着実に技術を学んでいる。日本からデザイナーが来て、次のデザインを教わるのが楽しみのようであり、それによって彼女たちの中にプライドが生じ、他のバングラデシュの仕事場に行っても、満足できないようである。その分、こちらがきちんと責任を負っていかねばならない。
 革製品のイスラムさんの工房も、仕事熱心である。イスラムさんはとにかく日本が大好きだ。日本の仕事にたいして、敬意を払っている。彼は手堅く国内マーケットに進出しているから、願わくは日本のマーケットを見つけ、自社ブラウンドの品質をあげようと、まじめに努力している。そのような彼の仕事や人生に対する姿勢は大好きである。

 
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 いろいろなプログラムが同時進行している。新しいオフィス、新しいプロジェクト、新しいプログラム。この次にレポートを書く時には、もっと違った内容が入っていることだろう。今年15年目を迎えるサクラモヒラの活動だが、初期のチャリティーの村のプロジェクトは次第に、ビジネスのモードを入り込ませている。教育の場所は、変わりようもないが、育った子どもたちが後輩をリードできるようになった。アムジャドは村に奨学金のお金をもらいに行くたびに、小学校で教えてくるそうだ。学校に本も増えた。村の仕事場も次第に自主運営になっていくことを望む。
 おりしも、埼玉県の起業支援プログラムから、今年の「いちおし賞」として、特別賞を頂戴した。タイミングがよく、新しいサクラモヒラの活動を応援していただいたかのようである。

 さまざまな人たちからの応援、感謝申し上げます。
 先に進んでいます、という報告ができることが、なによりも喜びです。バングラデシュのプロジェクトが良い場所に育ち、社会の中で良い場所として育ちますように、願っています。

 
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