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   No 5 January、2010
 

2010年がスタートしました。
まだ350日以上もあると思っているのに…なくなってしまう日々はほんとに早い。
今年は「ベンガル」タイガーの年です。
タイガーさん、元気を盛り返して、絶滅の危機を脱してくださいね。
大きな動物や鳥を身近に見るのは、ほんとに楽しいことではないでしょうか。
ダッカで柴犬くらいの大きさのとかげがのっし、のっしとマンゴーの木々の間を縫って
通り過ぎた光景がいつまでも忘れられません。
もう一度カレに会いたいのに…まぼろしの一瞬になってしまいました。

 
 

お茶の話

バングラデシュにシレットというお茶の産地があります。
最近、あるバングラデシュのジャーナリストが「故郷の支援をしているので」と言って
当地産のオーガニックの紅茶を持ち込んできました。
パッケージの箱もなかなかきれいで工夫があります。
オーガニック茶であることの証明もきちんとついていました。
バングラデシュの製品のレベルは急速によくなっているように思います。
経済が発展する時というのは、こんなふうに見る見るうちに変っていくのでしょうか。

シレットという場所の記事を新聞で読んだ時から一度訪れてみたい、と今でも夢見ています。
お茶の摘みかたは、見る見る変るどころか、何百年も前から、毎日、毎日、ずっと同じで
変化を拒んでいるような写真が報道されています。
色とりどりのサリーを着た女性たちが頭に大きなかごをのせて、
何百年も前と同じように歩いている姿と止まった時間。
でも緑の匂いがしてくるようです。

シレットは英国人がその地の気候に目をつけて、茶の栽培を始めた場所ですが、
英国に夢を求めて渡り、かの地にカレー料理を定着させたのは、
なんとシレットの人たちなのだそうです。
英国のインド料理店は、たくさんあって千差万別だけれど、
いくつか訪れたロンドンのインドレストランを興味深く思い出してしまいました。
シレットには英国村があるそうです。
英国で一旗あげた人たちが、異国を懐かしんで作ったものだそうです。
バングラ風ロンドンとでも呼ぶべき写真がありました。
何百年もそれ以上も変らない人間の生活の継続がとてもおもしろく感じられます。

 
 

ダッカ:ランプラーの工房から

突然、ダッカにあるランプラーという場所の家の持主からオファーがありました。
バングラデシュの品質の良い製品を作りたいと切望している方でした。
日本に25年間住んで、レストランも持っておられる方ですが、
そろそろ故里に帰ろうかな、というモードでした。

ランプラーという場所は、アメリカ大使館の道路をまっすぐに10分ほど
車やCNGの乗り物を走らせると着く場所です。と、いうようなあいまいな表現が、
ダッカの交通事情を加味して説明すると一番適切であるような気がしています。
公共の交通機関が使えない私たち外人にとっては、それでも足を確保するのが、最大の難事です。

その家は5階建てで、3階の2間続きをお借りしました。
ご家族の方たちがその建物で生活し、1階は弟さんが営んでいる印刷工場です。
空いている部屋はテナントに貸しています。

そしてまずは4人の縫い子さんと3台のミシンと大きな仕事用のテーブルだけから出発いたしました。
こちらが何回か依頼したことがあるテイラーが、事情があって経営状況が悪くなっていた矢先で、
彼女は自分の工房の縫い子さん2人を連れて来ました。
あと一人は、家主さんがスカウトしました。
全員女性で家主のアブールさんは男性です。
なんと、彼のレストラン開店時に、サクラ・モヒラを始めた元駐日バングラデシュ大使ハク氏が、
彼のレストランのテープ・カットをしていたという縁が判明し、皆、驚いてしまいました。

今回の滞在は短かったのですが、皆、休みを返上し、残業をして習得しようと努めてくれました。
疲れて老け込んだ顔の中で、
「もう一ヶ月いてくれたら、もっとちゃんと習えるのに」と言ってもらったのが一番嬉しかったです。
最後の日は皆が申し合わせて、カレーやご飯を持ってきてくれました。
それで、打ち上げランチをしました。
そのようなささやかな出発ですが、製品は日本でも通用するレベルになるだろうと思います。
パターンの読み方、補強の仕方、計り方などすべてを一から始めました。
共に作業をしながら、わかったことですが、彼女たちは既製服メーカーに勤務していながら、
きちんとできるのはミシンが使えるということだけでした。
それで、これまでの不満の製品に対して、数年間の疑問が解けました。
彼女たちにしてみても、機械の歯車のようにひたすら枚数を仕上げるために
ミシンを踏み続けるよりは、丁寧な仕事がおもしろかったようです。

さて、この先、どうなることでしょうか。
私がこのプロジェクトをなんとか成功させたいと思うのは、本来の目的の他に、
ここで村の女の子のトレーニングができるということです。

変りつつあるバングラデシュの中で、もう、手に職をつけて自分で稼ぐ、という時がきています。

2010年のお年玉として、神様にお願いしたい祈りです。
実は神様の悪口も随分言っているけれど、それは水に流してもらい、
応援のお年玉、どうぞこのプロジェクトに届きますように!!!


初めて作ったジャケットと4人の縫い子さんたちとデザイナー

 
 

★オフィスから

@ 英語の歌 1月 Fly me to the moon
 1月16日(土)2:00〜  ¥500.

 英語の発音と意味と音楽です。カラオケで歌ってみましょう。
 予約:080-5046-1948

A 布のレクチャー 3回シリーズ
   :3回目 ベンガルのブロックプリントと草木染
 1月21日(木)2:30 〜 お茶とケーキ付
 メイフィールド:自由が丘 03-5729-7228

B 初春の販売会
   :シャイン 与野駅西口前
 1月23日(土)〜27日(水)11時から7時
 浦和区上木崎1-9-20  tel 048-833-1045

 
 

サクラ・モヒラの階下のギャラリー「シャイン」をお借りしています。
11年目を歩み始めて、今回は壁も貸していただき、
ナラヤンプール村の小学校の子どもたちの絵も展示いたします。
シュンドル・ボンというバングラデシュのレストランの協力で
「シンガラ」というスナックとシレットのオーガニックティを
シャインのメニュに加えていただくことになりました。

さて、肝心の製品ですが、楽しみにお出かけください。
実は、12月に急用でダッカに行ったわけは、小さな工房を立ち上げたからです。
パターンの読み方、計り方など一から指導いたしました。
まだ初めの製品なので、「記念価格」です。

イスラムさんの皮工房からは、シープスキンのバッグや小物が届く予定です。

 
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