なんと生産を頼んでいるクムディニという福祉トラストが、日本のビッグサイトに出店するそうだ。ワールド・ギフト・ショーという催しで、9月2日から5日までの期間である。出張してくる二人は初めての日本ということもあり、緊張と喜びで興奮していた。手伝いを頼まれたので、この期間はビッグサイトのアジアのあたりにいます。
現地の人たちの手仕事はすばらしいから、日本との商談がうまく進むように祈ります。
夏用に頼んだ服も部分的に美しく仕上がっていた。手織りの綿、絹、絹と綿の混紡の素材はとても気持ちがよい自然素材だ。季節に間に合って届けばなおさらよいが、あまりにも多くの手仕事なので、文句もほどほどにしておこう。相手も少々片腹痛し、と感じている節がある。そのあたりは適当にぼかして、なんとなく相殺とするのがやり方のようだ。こちらにもオーダーの生産量が少ないという弱みがあるから、まずはおとなしく様子を見ることにしよう。
仕事から察するに、マスターテイラーのレベルまでは理解できるが、お針子の段階でミスが生じるようである。あまりにもばかげた失敗も含め、逐一指摘することにしているが、かような苦情は日本からゴマントクルそうである。苦情の多さに耐えかねて、生産部門の部長は言うのだ。「ヨーロッパでは1,000のうちの10%の間違いは目をつぶってくれる」、そうだ。その気持ちはわかり過ぎるほどわかるけれど、私のところは少ないオーダー数のすべてが欠陥品です。しかもポケットがヘムにとじ付けてあったり、ボタンが牡丹の花びらのごとくに落ちたり、というようなただの不注意の欠陥です。
次のシーズンに向け、絹の刺繍生地のビッグブラウス、絹のジャケット、手織り綿の手刺繍をデザインしたブラウスなどが注文品である。秋とか冬に届くといいけれど・・・
クムディニとは別に自然素材、草木染めを手がける業者が加わった。これから染められる生成り綿、絹のショールなどもあるので、自然素材好きな人や「染」をする人向きである。3種類の草木染めでナプキンを3種類注文してきたが、モンスーンの時期であり、9月から始まるラマダンを考慮するといつできるかはわからない、という応えであった。注文してから1か月以上が過ぎた今、雨降りの日が続いているのか、雪がふったのか、業者からは“なしのつぶて”である。
|